インパクト評価によるSDGsの見える化と金融の実践

3月25日、神奈川県主催の「神奈川県SDGsインパクト評価シンポジウム」が横浜で開催されました。

神奈川県は、都道府県として唯一、「SDGs未来都市」及び「自治体SDGsモデル事業」の両方に選定されたSDGs先進県です。


今回のシンポジウムは、「自治体SDGsモデル事業」として取り組んだ「SDGs社会的インパクト評価実証事業」の成果報告会として開催されました。


「SDGs社会的インパクト評価実証事業」では、企業やNPOが行う事業を対象として、SDGs達成に向けた貢献度を「見える化」し、「SDGs×評価」の実践ガイドラインを策定。また、社会的インパクトを生む事業や組織に対して、持続的に資金が流れる仕組みの検討が行われました。(SDGs社会的インパクト評価実証事業報告書はこちら。)



事業者(写真はアルケア関氏)と金融関係者、有識者などが議論を交わす

シンポジウムの第一部は、「かながわ発SDGsインパクト評価」と題し、「SDGs社会的インパクト評価実証事業」に実際に関わった事業実施者や資金提供者、伴走者たちによる成果や学びの共有が行われました。

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【パネリスト】
(事業実施者)
アルケア株式会社 ヘルスケア事業部 部長 関 良一氏
K2インターナショナルグループ NPO法人ヒューマンフェローシップ 代表理事 岩本 真実氏
Fujisawa SST協議会/パナソニック株式会社 ビジネスソリューション本部 志波 崇裕氏

(有識者、資金提供者など)

一般財団法人CSOネットワーク 代表理事 今田 克司氏
神奈川県 理事(いのち・SDGs担当) 山口 健太郎氏
東洋大学 社会学部 教授 米原 あき氏
株式会社横浜銀行 総合企画部企画グループ グループ長 若林 賢彦氏

【ファシリテーター】

ケイスリー株式会社 取締役COO 落合 千華氏
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まず、対象事業を実施した3事業者(下表参照)が、「SDGs社会的インパクト評価実証事業」に参加した感想を共有。
  • 「SDGs×評価」の取り組みによって、自社の事業に社会公共性が持て、行政との共通言語を構築できたのはプラス。(アルケア 関氏
  • 今回の事業で、言葉にできない支援のプロセスを見える化したかった。第3者に入ってもらうことで、事業拡大の判断・整理ができたことが良かった。(K2インターナショナル・岩本氏
  • SDGsを入れることで、住民を巻き込んだまちづくりが可能になった。また、バックキャスティングの考え方によって、一つ一つのプロジェクトの制度や優先順位が明確になった。(Fujisawa SST協議会・志波氏
SDGs社会的インパクト評価実証事業の対象事業(「SDGs社会的インパクト評価実証事業」成果報告書より
CSOネットワーク今田氏

続いて、評価モデル検討委員会メンバーたちがコメントします。


CSOネットワークの今田氏は、「SDGsは金融セクターへの挑戦。インパクト、リスク、リターンを考える中で、『Leave no one behind(誰一人取り残さない)』の思想をどのように金融のオペレーションに取り入れられるか。この思想に基づいた非財務情報の見える化が出来るか。」と、問題提起を行います。金融関係者が多く登壇した第2部では、この問いかけが議論のポイントの一つとなっていきます。


資金提供者の立場からこの実証事業に関わった横浜銀行の若林氏は、「金融機関は過去の実績(財務諸表、資産、経営者実績)の評価による資金提供に依存しがちだった。事業の内容や将来性を適切に理解・評価して、融資や助言を通じて企業の成長を支援していくという発想が大きく欠けていた」と反省。その上で、「このような事業性評価は、審査する側の目利き力など属人的な部分に依存しやすく、実践は難しいが、SDGsという共通言語で、企業の非財務情報を見える化し、事業内容や目標を正確に理解できるようになるのでは。」とコメントしました。
東洋大学 米原氏

東洋大学の米原氏は、今回の実証事業の結果について、評価の専門家として一歩踏み込んだコメントをされました。
  • 今までエビデンスとして測られてこなかったものの見える化にトライしたことは評価できる。一方で、今回の実証実験結果が金融機関にとって説得力を持ったデータであるか、という難しさ。データがエビデンスとしての説明力を持つためには、科学性などもう一歩必要だと思う。
  • また、金融機関側の評価フレームワークもTransformする必要がある。現在は財務情報だけで儲かりそうなものを評価・判断しているが、それでは今回のような活動は捉えられない。例えばエコシステムのような質的なインパクトを評価できるような新しいものさし、指標の導入が必要
  • 評価にあたっては、主観性と客観性のどちらも必要。SDGsでは、主観と客観の距離が重なりつつあるように感じる。MDGsの時は、100%が良いという分かりやすい指標だった(例えば就学率、識字率など)。一方、SDGsで、女性管理職比率という指標は、100%になれば幸せなのか、100%を目指すべきか。何を目指すべきかは、文脈で決まる。30%でも良い場合もある。このように、質的に見えるが量的、量的に見えるが質的な要素も、という指標もある。主観と客観がグレーゾーンになっているからこそ、評価の専門家の介入が必要な状況が増えてきている。
  • 現在は、いかに合理的・効率的に自分の目的を達成するかに主眼をおく20世紀型の目的合理性の考え方から、コミュニケーション的・対話的合理性の考え方にシフトしてきている。相手が何を求めているのかを理解、納得して合意していくプロセスを通じて、様々な立場とフラットな関係を築き協働することがこれからのSDGs時代にますます重要になってくる。
会場には多くの人が詰めかけた
第二部では、「SDGsインパクト評価と社会的投資のエコシステム」と題し、第一部で議論されたインパクト評価の成果をいかに資金提供と結びつけるかと言った観点から、SDGs達成に向けた持続可能な資金循環やエコシステム形成のあり方などについて議論がなされました。
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【パネリスト】
金融庁 チーフ・サステナブルファイナンス・オフィサー 池田 賢志氏
株式会社キノファーマ  取締役CFO 江口 耕三氏
株式会社大和総研 調査本部 研究主幹 河口 真理子氏
一般財団法人社会的投資推進財団 常務理事 工藤 七子氏
株式会社三井住友銀行 成長産業クラスター ユニット長 西村 克俊氏
【ファシリテーター】
ケイスリー株式会社 代表取締役 幸地 正樹氏
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ソーシャル競争の台頭によるインパクト評価の要請

まず、大和総研の河口氏から、投資家がESGを求め始めた経緯について説明。2006年に立ち上げられた責任投資原則(PRI:Principles for Responsible Investment)でESG投資が広まったが、投資家がESG投資を始めたのは、あくまでも自分たちのパフォーマンスを上げるため。その結果社会にどのような影響を与えるのかはこれまで気にしてこなかった。と河口氏は言います。
大和総研 河口氏

河口氏が所属する大和証券では過去にワクチン債を発行して、話題になっていました。同様に、現在は、グリーンボンド(温暖化対策や環境プロジェクトなどの資金を調達するために発行される債券)が多く発行され、話題になっています。
河口氏によれば、「もともと投資家は金利と社会的価値両方を評価しているのだが、現在の世の中は金利が低くなりすぎて、債券の金利で競争が出来なくなっている。グリーンボンドの発行など”ソーシャル競争”が起こっている。そのため、社会的インパクトをしっかり測らないといけない状況になった。」ということで、ESG投資が徐々に広まっていく中で、インパクト評価に目が向けられ始めた点を指摘しました。

インパクト投資の実践

社会的インパクト投資の普及に取り組む社会的投資推進財団の工藤氏は、「評価の在り方として、投資家が欲しがる情報を取るのも大事。でも一方で、金銭的インセンティブが発生しない部分を評価をしていきたい。」と述べます。
同財団は、神奈川県が立ち上げた「ヘルスケア・ニューフロンティア・ファンド」(未病や先端医療ベンチャーへの投資)のプロジェクトに係るインパクト評価を担当しています。例えば、乳がんの検診機器を作っている企業は、「乳がんの死亡率を低くしたい」という明確なミッションを持っていますが、乳がんの発見率や検診率は、成果として求められてきませんでした。それは、顧客となる病院側に安価で機器が買えた方がいいという価値観があるからです。
工藤氏は、「誰も『検診率が上がった』ということに金銭的インセンティブを与えてくれていない。事業者としてもインセンティブがない。でもその部分のデータをトラックし続けて、評価をしていきたい。」と力を込めました。そして、「検診率が上がるということは、保健所の負担が減るというロジックで行政へのセールストークになりうる。更に、ソーシャルインパクトを出している事業者が選ばれるようなマーケット側のシステムも一緒に作っていきたい。」と思いを述べました。

第1部でCSOネットワークの今田氏が投げかけた問題提起、「Leave no one behindを金融が出来るのか」については、工藤氏は「Noと言わざるを得ない。」と回答した上で、「SDGsを達成するために年間2.5兆ドル必要だとして、それを金融だけで引っ張ってくるのは無理。いろいろなお金の流れを同時に変えていかないといけない。」と強調。


社会的投資推進財団 工藤氏
工藤氏によれば、「インパクト投資の領域は、Leave no one behindの理念で一番支えないといけない、ソーシャルマイノリティやソーシャルジャスティスにリーチするのは難しい。インパクト投資は、インパクトだけでなくリスクもリターンも同時に求めていくから。インパクトを求めれば求めるほど売り上げが下がるような案件には手が出せない。インパクトとリターンに正の相関があるような案件がインパクト投資のスイートスポット。」と現実的な解を提示します。「例えば神奈川県で全員が健康に、という目標がある場合、インパクト投資が出来るのはこの領域、ではそれ以外の領域は誰がどう埋めていくのか。このような協働の在り方を議論していかないといけないと感じている。」と述べました。

司会の幸地氏が、事業者とのコミュニケーションにおいて、評価結果をどう活用しているのかと聞くと、工藤氏は、「評価は事業者がよりインパクトを出すためのツール。その意味でインパクトマネジメントと捉えている。学術的にも評価の高いエビデンスが取れるかどうかはあまり求めていない。むしろ、初めて自分たちの事業をロジックモデルに落とし、指標を考えて、どうデータを取るかを考えてみる。このプロセスで企業側がどんどん変化していく。そのデータを日々とっていくことを事業のオペレーションに落としていくことで、今までなんとなく良いことをやっていたと信じていたのが、本当に良いことをやっているのが見える。そうするとPCDAが回り始める。」と評価の実践事例を共有しました。

SDGsを用いた資金調達の効果と課題

第2部唯一の事業会社として登壇したキノファーマの江口氏。同社は、子宮頸がんになる前段階のウィルス感染途中での薬を開発するという創薬ベンチャーです。創業後、資金調達がうまくいかないという壁にぶちあたり、自社の社会性をどう表現するか悩んだ末に、SDGsに辿り着いて、それを用いたプレゼンをするようになったとのこと。その結果、共感してくれる人がとても増えたそうです。資金提供には至らなくとも、知り合いを紹介する形で応援してくれる人がたくさん出来たとのこと。そうやってどんどんつながりが増え、検査会社や大学などと連携したコレクティブインパクトを目指せるようになったと述べていました。
キノファーマ 江口氏
もう一つ、SDGsという共通言語を用いたことで、海外からの引き合いが多くなったとのこと。当初は海外進出は視野に入っていなかったが、子宮頸がんが問題になっているのはアジアやアフリカであるため、現在はこれらの国々とも取引を行っているそうです。

江口氏曰く、SDGsを資金調達に結び付けことはまだまだ課題があるとのこと。資金調達の過程で、「SDGsの使い方が間違っている」、「SDGsはベンチャーではなく大企業がやるもの」など、いろいろな評価を受けたことを共有されました。

金融の価値観の転換

ESG投資に代表される大きなお金の流れが、今どのように変わろうとしているのか、どれくらいインパクトを評価しようという声があるのかについて、大和総研の河口氏は、「Leave no one behind-誰も取り残さないーというSDGsの思想がある。今私たちが前提としている市場経済は競争経済で、色々な人を残しまくり。勝ち残った人のみの仕組み。その金融市場に、Leave no one behindの思想を持ってくることがどれだけ大変なことか。だから金融だけに求めるわけにはいかない。社会全体が、表層ではなく、Leave no one behindの経済の仕組みがどうあるべきかを真剣に考えていかないといけない

例えば、ビジネスとしてのリターンは低いかもしれないが、社会性を考慮して総合的に評価したら、地域の人が幸せになって「誰ひとり取り残さない」ビジネスモデルになる。そこから考えないといけない。そうすると、価値評価の基準が変わる。今までは、短期的な売り上げがあがればいい、というものだった。CO2をいくら排出しようが、児童労働を強制しようが、安く作れればいいでしょ、というものだった。でも、SDGsが出てきたことで、途上国の政府が児童労働に目を光らせるようになって、今までと同じビジネスモデルが通じなくなってくる。そうやって社会全体が変わる中で、投資家の目線も変わらざるを得ない。」と力説されました。


また、河口氏は、米ブラックロックのラリー・フィンク会長が日本を含む世界の企業経営者に送った2018年の年次レターで「Sense of Purpose」に触れ、「企業にリターンを求めているけれど、同時に社会的課題の解決も求めよ、どうやってそのPurposeを達成するのかと言い出し始めたのは大きな価値の転換である。」と金融側の変化にも言及しました。

金融の挑戦ー客観性と過去データー

三井住友銀行の西村氏は、エコシステムを作るにあたっての課題や改善点を問われ、客観性のなさと過去データの蓄積のなさを指摘しました。

同行は、神戸市の
人工透析に至るリスクが高い人を対象に重症化を予防する事業でソーシャルインパクトボンドを導入しました。

「どのような指標に客観性があって、これくらい出来れば、このくらいのお金を払えるというのをはっきり示すことが難しい。実際にそれが達成できたのか、インパクトとして評価できるものなのかについて、客観性がないことが課題」と述べます。
三井住友銀行 西村氏
また、未病や介護などの領域では、過去データの蓄積がないことも障壁の一つです。ある人が要介護になる手前の段階で踏みとどまれた場合、要介護になるであろう時間が対応をしない時よりも長くなれば、インパクトがあったと言えます。しかし、ある取り組みを行ったからそのインパクトが出たと示すことが大変難しいとのこと。「対応と効果が必ずしも一対一でリンクしない。このことが、インパクト評価を金融の世界に落とし、投資家にリターンを返すことを考えたときに直面する課題。」これについては、一つ一つ実証事業をしながら組み立てていくしかないとのことでした。

指標の標準化が出来るか?必要か?

司会の幸地氏は、「普及のためには標準化することも大切。他方で、標準化していくと、事業者にとっては事業改善につながりにくくなる、事業者が指標に合わせてくるという一面もある。資金提供者と資金の受け手である事業者とで、評価の考え方に溝がある。」とした上で、「標準化・共通の指標が必要だと思うか?」と工藤氏に問います。

社会的投資推進財団の工藤氏は、

どのレベルでの標準化なのかを、まず考えるべき。例えば、評価をする時に気を付ける点などの、評価の仕方に関する標準化・ルール化は必要だと思う。都合良く自分たちの事業がインパクトが出ているように見せる、見せることが上手なところが勝っていくような、”インパクトウォッシュ”を駆逐するためにも、一定の標準化は必要

その上で、指標まで標準化することについては、弊害があると思う。特に、インパクト投資は、革新的なソリューションを生み出すことに価値がある。よって、標準化された指標で測れて、高い点数が出るということは、そもそも存在価値がないともいえる。」と回答しました。

持続可能なエコシステム形成への期待

最後に、パネリストから会場に詰めかけた来場者に向けて、SDGsの評価を活用した資金循環によるエコシステム形成への期待を含めたメッセージが投げかけられました。

金融庁の池田氏

  • CSOネットワークの今田氏が第1部で問いかけた「金融はLeave no one behiindに対応できるのか」については、金融だけでは応えられないと思っている。でも、民間金融が様々なステークホルダーとパートナーシップを構築していくことで果たせる役割はある。ただし、それは、今のSDGsを紐づけたインパクトやロジックモデルを突き詰めていけば可能性が見えてくるということではない。
  • 具体的な事業の中で、金融も伴奏者としてついていき、事業者とインパクトの議論をしながら、金融的にリスク・リターンにつながるにはどうしたらよいかという問いを金融が自らに問い続ける。その中で、リスク・リターンの改善につながるロジックを見出して、日々の投融資のオペレーションの中に組み込んでいくことが望ましい。
キノファーマ  江口氏
  • 事業会社としては、新しい会社をどんどん市場に提供していくのが一番の役割だと思っている。例えば、我々は、「涙の数を減らそう」という評価基準を立てている。子宮頸がんの検査に行く、検査に引っかかる、そのようなことが起こると、女性にたくさんの負担がかかって涙が流れる。それを一粒一粒カウントして、我々の事業でその涙がどれくらい減らせるのかという独自の指標と価値、社会的インパクトを提供していきたい。
  • エコシステムの形成にあたっては、成功モデルを作るしかないと考えている。事業会社として、資金調達をしっかり行い、事業を成功させて、インパクトを出して、評価を問うことを地道にやっていくことが大切だと思っている。
三井住友銀行 西村氏
  • 非財務情報をいかに見える化していくか。これは、我々銀行に突きつけられた課題。昔の銀行では、格付けなど無く、ヒト・モノ・カネで定性的な判断をしていた。ところが、バブルの後、標準化が進み、格付けがかなり重要視される時代になった。今では、AIが入って、銀行不要論も出てきている。ここにいかに非財務情報を織り込むか。
社会的投資推進財団 工藤氏
  • SDGsの文脈でエコシステムの形成する場合、ボトムアップとトップダウンの両方のアプローチが必要だと思う。我々投資家や、事業者、それぞれの現場でインパクトを最大化していくことは当然重要。しかし、これから必要になってくるのは、神奈川県というスケールで見たときにどうか、という全体最適の観点。個々の事業者がSDGsのこのゴールにこれくらい貢献しているということの集合体として、県全体、国、世界が本当に良くなっているのか、それをしっかり見ないといけない。
  • ボトムアップではとにかく色んな挑戦をしていくことが必要。でもそれが集まって全体としてどのようなインパクトを出せているかは、行政側でフラグを立てたり、コレクティブインパクトの計測をしていくことが求められると思う。
大和総研 河口氏
  • SDGsは目的ではなくツール。これが達成されたからと言って、私たちの社会がサステナブルになるかは何の保証もない。でもやらないと、大変なことになる。特に、環境問題は待ったなしの危機的状況。だからサステナブルにしないといけない、というところからスタートすべき。
  • その上で、お金との付き合い方を考えよう。投資・消費・寄付などお金の付き合い方には人格や価値観が出る。今までの20世紀型の価値観であれば、企業はとにかく効率的に利益を出す。個人は、自分の欲しい物をガンガン買う。寄付は出ていったお金なのでその先は知らない。これらが徐々に変わっていく。投資した先のお金がどうなるか、自己満足だけの寄付ではなく使い方やインパクトまで追いかける。これらの一番分かりやすいツールが評価。
  • 社会的評価については、ようやく事例がたくさん積みあがってきた。大きなお金が動くESG投資の領域でも、この評価事例を参考にして、企業の評価に使える。
  • 全員が全員出来ることがある。金融や投資は難しいと思う人も多いが、皆年金も保険も払っているはず。全てつながっている。だから自分ごとで考えて欲しい
司会の幸地氏は、「お金を出す私たち一人ひとりの意見を、お金を預かる側は無視できない。私たちの考え方が浸透していくと、大きなお金が動くきっかけになる。だから、お金を出す私たち一人ひとりが、インパクトを求めていこう。みんなで取り組んでいこう。」というメッセージで締めくくりました。

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